アスベストとは天然に存在する繊維状の鉱物で、茶石綿・青石綿・白石綿などの種類があります。耐火性・断熱性・保温性・防音性・耐摩耗性・電気絶縁性などに優れていたために、むかしは様々な工業資材として使われていました。しかし1960年代に、アスベストによる肺がんや中皮腫の発生が確認されたため、世界中で使用がどんどん規制されていったのです。日本でも、1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止され、以後徐々に規制が強まり、2005年に全面的に使用禁止となりました。

使用が禁止されているのならもう安心と思う人もいるかもしれませんが、実は石綿はまだあちこちに残っています。とくに規制される以前に建てられた建築物には、石綿が建材として使用されている可能性が否定できません。そのような住宅に住んでいると、肺がんや中皮腫を発症してしまう可能性があります。中皮腫などは潜伏期間が30年くらいあるともいうので、今は大丈夫でも将来発症することも考えられます。

これを防ぐためには、アスベストが使われていないか検査をするのが一番です。まずは家の中の建材などを目視で検査してみるといいでしょう。ただ、はっきり言って目視だけでは石綿を見分けるのは素人には難しいことが多いです。まぎらわしいものもありますし、他の資材と混ぜて使われていたりすることもあるので、素人が正確に見分けるのはほぼ無理です。

建築物の設計図書を見て検査するのがおすすめですが、これも素人には分かりにくいので、やはり専門家に依頼するのが一番かもしれません。