現在日本各地の裁判所ではアスベストの健康被害について訴訟が行われています。この訴訟は、中皮腫や肺がんになってしまった人が主に、従事していた会社や国に向けて裁判を起こしているのです。一体何があったのかと言うと、高度成長期や昭和と言う時代に、産めよ増やせ余の精神で高度成長期にはたくさんの団地や家屋、ビルなどが建設されました。日本の経済を活況にする事ばかりに着眼し、建築に従事する人の健康などはないがしろにされていたのです。

アスベストと言う石綿の建材が当時の建設現場で頻繁に用いられ、建設等ににその場にいた職人や左官が知らぬ間にその石綿を大量に吸いこみ、50年と言う長い潜伏期間を経て今健康被害で苦しむようになりました。当然現代ではアスベストの使用は禁じられていますが、リノベーションや建て替え、解体の際にはアスベストが飛散し再び健康被害をもたらす可能性があるのです。そこで政府は建て替えや解体前に必ずアスベスト分析を行うことを義務化しました。分析は難しいように感じられますが、調査会社に外注依頼するだけなのです。

検体を少し採取し郵送することで、すぐさま分析報告書を受ける事が出来ます。分析調査は緻密で精密であり、X線や偏光顕微鏡にて行われるのです。定量や定性分析を行い、その報告書を労働基準監督署に提出することが解体業者や建設業者、不動産業者に義務付けられています。費用も今では2万円前後で受けられリーズナブルになって居るのです。