アスベストの分析は、大きく分けると3つの分析方法があります。アスベストは石綿とも呼ばれる材料で、安くて耐久性などがあるなどから住宅用建材などさまざまな用途で活用されていました。しかし健康被害があるなどからも現在は製造されていませんし、譲渡や輸入などが禁止されている関係から使用されなくなりました。アスベストの分析は、物質を特定するために欠かせない作業になりますが、第一次石綿問題は今から30~40年前に発生、これに伴い石綿に関する規制が策定されました、当時は、クリソタイルを対象にしていましたが、クボタ事件がきっかけとなり再びアスベストへの注目が集まるようになったのです。

ちなみに、クボタ事件は2005年に発生したもので、兵庫県尼崎市にある機械メーカーの工場で従業員74名が石綿に関係する疾患で死去、工場周辺に住んでいる人々が中皮腫を患い、治療中の住民3名に対して見舞金を出すといった事象です。さらに、石綿の種類は1種から3種に増えて、2006年になるとその種類は6つまで増えました。分析方法は、厚生労働省が策定していた方法(平成8年法や平成17年法など)が使用されていましたが、2006年には日本工業規格においての規格化が行われて、2008年には改正されるなどの経緯を持ちます。国際規格の方法などとの違いおよび問題点などにより、2014年に日本工業規格のJIS-A-1481の-1~-3まで3つの枝番に分かれました。

なお、アスベストの分析は枝番の1と2の方法で行われて、枝番の3はX線の解析装置を使い石綿の定量を対象にした手法です。